中学理科 単元解説
中学理科は、大きく「物理」、「化学」、「生物」、「地学」の4ジャンルに分けられるので、それぞれについて説明していきます。
※難易度は、学習内容の抽象度、必要となる前提知識、つまずきやすさなどを踏まえたAstra独自の目安です。実際の得意・不得意には個人差があります。
[Ⅰ]物理
1. 光の性質 中1 難易度★★★★
光の反射や屈折、そして凸レンズの仕組みを学びます。空気から水に入る時はより強く光が曲げられること、光軸に平行な光は焦点を通過すること、焦点を通った光が交われば実像ができ交わらなければ虚像ができる、といったところがポイントです。実際に虫眼鏡やコップなどを使って実験して理解するのが近道でしょう。レンズの像がどこにできるかは、中3の数学で習う「相似」の知識があるとより理解しやすくなります。
2. 音の性質 中1 難易度★★★
音の「強さ」と「高さ」の違いをしっかり理解すること、そして小学校の算数で習った「距離・時間・速さ」の関係がきちんと理解できていることがカギとなります。こちらも、実際に楽器などに触って実験して理解するのが近道です。音楽室に鎮座しているピアノなどをよく観察してみるとよいと思います。
3. 力について 中1 難易度★★★★★
目に見えにくい「力」というものについて学びます。てこの原理でもお馴染み「支点」「力点」「作用点」が理解できるか、「反作用」が理解できるかがカギです。
目に見えないだけイメージがしにくくとっつきにくいですが、「動かない=力がつりあっている」と分かるだけでもかなり見通しが良くなります。高校以降、じっくり「力」を更に掘り下げていくことになります。
4. 静電気 中2 難易度★★
プラス同士・マイナス同士は反発、プラスマイナスでは引き合う、ことさえ分かっていれば、特に難しい点はないと思います。
5. 電気回路 中2 難易度★★★★★
中2理科の最大の難所の1つです。電磁気関連はただでさえ目に見えなくてイメージしにくい上に、「電流」「電圧」「電力」といった似たような概念が一気に登場して混乱しやすいです。特に、並列回路でどうして電圧が同じになるか、の理解がきちんとできるかが明暗を大きく分けます。
6. 磁界 中2 難易度★★★★★★
中2理科のラスボスです。「右ネジの法則」「フレミングの左手の法則」など、実際に手を使って向きを調べる動作が多発しますし、発電やモーターなどに応用される電磁誘導も中学生の時点ではなじみが薄く難しく感じると思います。
「磁界の変化を邪魔するように電流が流れる」というのが理解のコツです。
電気回路・電磁誘導についても、高校でより詳しく学んでいきます。
7. 運動について 中3 難易度★★★★★
ここでは、「等速直線運動」と実質「等加速度直線運動」を学ぶことになります。高校物理で学ぶ「運動方程式」を知っていれば理解が速いのですが、中学校の時点だと「物が動いている=力が働いている」と誤解しやすく、「速さが同じ=力はつりあって0」という直感に反する事実を受け入れにくいのではないかと思います。
実際には、「一定の力がかかっている=加速度(速度の増え方)が等しい」が正しく、斜面を転がした際は、同じ時間に進む距離はどんどん長くなっていき、長さの増え方も大きくなっていきます。
詳しくは高校で習いますが、距離をテープ状にして横に並べると、中3の数学で習う「2次関数」のグラフの形になります。
8. 力学的エネルギー/仕事 中3 難易度★★★★★
本来ならば高校でやるような単元ですが、現行学習指導要領で中3に降りてきてしまった単元です。そのため、内容理解がかなり難しく、物理分野のラスボスといえます。
中学では、重力に関わる運動のエネルギーについて扱いますが、言うなれば、高い場所に行けば行くほど「落ちていきたい欲求」がエネルギーとして溜まり、落ちるごとにそれが実際の「速さ」に変わって発散されていく、というイメージです。
仕事については、中学時点では「仕事の原理」に注目し、滑車を例にして「力が半分で済む代わりに、2倍余計に引っ張らないといけない」といったことを学びます。この仕事もエネルギーに大きく関わる概念なのですが、詳しくは高校になってから学ぶことになります。
[Ⅱ]化学
1. 物質の状態変化 中1 難易度★★
固体、液体、気体と状態が変わっていくお話です。水の例でもお馴染みですが、「融点」と「沸点」という概念が新しく登場します。中学校では、アルコールと水の混合物を「沸点」の違いを使って分離する、といった題材がよく登場します。
2. 溶解度 中1 難易度★★★★
食塩やミョウバンなどがどのくらい水に溶けるのかというお話で、温度を変えたときにどれだけ溶け残りが出てくるか?というのが頻出テーマです。算数の「比例」を使いこなせることと、グラフを正しく読み取ることが要求されるので、中1理科の最初の難所ではないかと思います。
3. 原子と分子 中2 難易度★★★
物質を構成する最小の単位である、原子と分子について学びます。ここでH,C,Oといった元素記号が初めて登場します。頑張って覚えていきましょう。
4. 化学反応式 中2 難易度★★★★★
中2理科の最大の難所の1つです。この時点では化学式をつくる理屈や知識が不足しているので、丸暗記になってしまいがちなのが難しさの所以です。Astraでは、中学生でも理解できるように、極力丸暗記要素を避けられるように指導していきます。
5. 酸化と還元 中2 難易度★★★★
簡単に言えば、酸素がくっつく反応が酸化、酸素が剥がれる反応が還元です。そこを意識すると見通しが良くなります。
6. イオン 中3 難易度★★★★★
中3理科の難所の1つです。電子を失ったり貰ったりすることで電気を帯びるようになった原子がイオンです。イオンの知識が、これまで数々登場してきた化学式がなぜああなっているのかの伏線を回収し、中2時点で苦戦した化学反応式を作る上の大きなヒントとなります。
また、どの金属がイオンになりやすいかという話題が登場し、中学ではマグネシウムと亜鉛と銅の関係が頻出します。
7. 電池・電気分解 中3 難易度★★★★★★
こちらも中3理科の難所の1つであり、化学分野のラスボスといえます。2つの内のどちらがプラスになりマイナスになるのか、そしてそれぞれでどんな化学反応が起こるかを、これまでの知識を総動員して理解していく必要があります。また、地味に「電池」と「電気分解」の違いもしっかり意識しないといけません。
8. 酸アルカリ 中3 難易度★★★★★
酸性とアルカリ性に関するお話で、酸性の原因が水素イオン、アルカリ性の原因が水酸化物イオンであることを学びます。これに関連し、両者をどのくらいの量混ぜれば中性になるか、といった中和の話題も登場します。こちらは、水素イオンvs水酸化物イオンの戦争に例えると理解がしやすくなります。
[Ⅲ]生物
1. 植物の構造 中1 難易度★★★
植物の花・葉・根・茎の構造、そして光合成について学びます。覚えること自体は難しくない一方、水がどこから蒸散しているか、どの条件で光合成が起こるか、光合成と呼吸の区別ができているか、といった問題が頻出です。
2. 生物の分類 中1 難易度★
植物や動物の分類について学びます。これについては覚えるしかありません。
3. 人体の構造 中2 難易度★★★
続いて人体の構造について学びます。皆さんが病気になってお医者さんに診てもらうときにも非常に役立つので、知っておいて損はありません。
各臓器の役割や、酵素の名前などが混同の元なので、しっかり整理して覚えていきましょう。
4. 細胞分裂 中3 難易度★★★
2種類の細胞分裂について学びますが、その2つ「体細胞分裂」と「減数分裂」の違いをしっかり理解しておきましょう。ざっくり、精子や卵子など生殖に関わる細胞は「減数分裂」、それ以外の細胞については「体細胞分裂」と理解すれば大丈夫です。
5. 遺伝 中3 難易度★★★★
生物分野最大の難所です。「顕性形質」「潜性形質」の違いから始まり、どのように子孫に形質が受け継がれていくかを丹念に表を使って追いかけていきます。血液型の例が最も身近で分かりやすいと思います。
なお、高校では、性染色体が絡んだ遺伝である「伴性遺伝」についても学ぶことになります。
6. 進化 中3 難易度★
魚類→両生類→爬虫類→鳥類or哺乳類、という進化についてのお話です。それぞれの動物を比較して、どこが進化で変化しまた引き継がれているかを判別する問題が多いです。
7. 生態系 中3 難易度★★★
「生産者」「分解者」「消費者」といった生態系における各生物の役割について、そして食物連鎖についても学んでいきます。よく「炭素はどう循環していきますか?」という題材が取り上げられます。
[Ⅳ]地学
1. 火山/岩石 中1 難易度★★
火山の出来上がり方や、火山によってつくられる岩石の性質について学びます。暗記要素の強い単元(特に岩石の名前は完全に暗記するしかありません)ではありつつ、性質の方は、身近なものと比べて出来上がり方をイメージすると理解しやすいです。
2. 地震 中1 難易度★★★★
皆さんにとって身近な地震に関するお話です。日本に集まるプレートがどうなっているのかに始まり、P波とS波の違い、震度とマグニチュードの違いも学びます。
P波とS波の速さの違いを利用して震源までの距離を調べる、といった計算問題が頻出です。
3. 地層 中1 難易度★★★★
主に水の作用によってどのように地層が出来上がっていくか、各地層の地表からの深さからどれだけ勾配があるか、地層や化石の情報なども交えて昔そこがどんな地形だったか、などを考えさせるシチュエーションが多いです。
4. 飽和水蒸気量/湿度 中2 難易度★★★★★
湿度に関連するお話で、部屋の温度を何度まで下げると窓が曇るようになるか、といった問いに答えていきます。この話を利用することで、雲のでき方や「フェーン現象」の原因がわかります。状況をしっかり整理して水蒸気の量を的確に計算することが要求され、難しいです。
5. 前線/天気の変化 中2 難易度★★★★
暖かい空気と冷たい空気がどのようにぶつかり、それにとってどのように天気が移り変わっていくかについて学びます。丸暗記ではなく、しっかり原理を理解するようにしましょう。社会の地理の分野と非常に関連が深いため、セットで勉強するとより理解が深まるはずです。
6. 天体の運動 中3 難易度★★★★★★
中学理科の最後に登場する単元で、まさにラスボスです。
地球目線では~太陽目線では~といった視点の切り替えを多く要求され、自転が原因の1日ごとの運動と、公転が原因の1年ごとの運動と、2種類を同時に考える必要があり、とにかく非常に難しい単元です。頭の中だけでイメージするのは困難なので、地球儀などの実際のものを使って体で体感した方が理解しやすいと思います。
7. 惑星 中3 難易度★
エピローグの単元で、太陽系の惑星の性質について学びます。正直言って覚えるだけで済むため、難易度は低いです。




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