高校での「理科」の科目選択の手引き
- Astra塾長 多田

- 7 時間前
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こんにちは。個別指導学院Astraの塾長の多田です。
今回は多くの高校生を悩ませる、理科の科目選択について解説しようと思います。
現在の大学入試では、大学や学部によって差があるものの、概ね以下のように課されるのが主流となっています。
〇理系
・共通テスト:「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目
・国公立2次&私大:「物理」「化学」「生物」から1科目
※1. 旧帝大や早慶など難関大を中心に2次試験で2科目課す大学もあります。
※2. 工学部では「生物」が選べない、など制約がある学部もあります。
※3. 「地学」を選べる大学は極めて稀です。
※4. 共通テスト利用で私大に出願する場合は、大学から指定される1科目か2科目を受験すればOKです。
〇文系
・共通テスト:「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」から2科目
または「物理」「化学」「生物」「地学」から1科目
・国公立2次&私大:不要
※「○○基礎」とは、「○○」の内容を薄めた簡単バージョンと思って頂ければ大丈夫です。理系では「○○基礎」の方は選択できません。
上記を念頭に置いたうえで、どのように科目選択していけばいいのか、説明していきたいと思います。
最初に、表で簡単にまとめておきます。

[Ⅰ]科目ごとの概要
① 物理
物体の運動や、波・熱・電磁気といった物理現象を、数式などを用いて解き明かしていく学問です。
原理原則の理解7割、計算処理2割、暗記1割といった科目で、暗記量は他の理科の科目と比べるとかなり少なめです。原理原則を理解するまでに時間がかかりそこまでは成績が伸び悩む傾向があるものの、逆に言えば原理原則を理解さえできてしまえば爆発的に垂直立ち上がりで成績が伸びていきます。
計算処理については、文字式を主体とした方程式の計算が主で、細かい数値計算が苦手な生徒さんにとってはとっつきやすいはずです。ただし、原理原則の理解の部分も含めて、三角関数や微分積分、ベクトルなどといった数学の知識が必要になる場面が多く、数学が苦手な生徒にとってはハードルが高めな科目といえます。
理工学部のように、物理現象を扱う、あるいはモノづくりをする分野に進みたい場合は、避けて通れない科目であり、理系の学部であればほぼ確実に受験することができます。
数学が苦手ではないという生徒さんでしたら、物理を選んでおくのが無難だと思います。
逆に、数学が苦手な人の多い文系の生徒さんは、物理は避けるべき科目でしょう。
② 化学
物質の性質や、物質の状態変化・化学変化などを探求していく学問です。
原理原則の理解3割、計算処理3割、暗記4割、といった科目であり、物理のような理解型と、生物のような暗記型とのハイブリッドといえる科目です。
無機化学や有機化学を中心に暗記量がとても多く、理論化学では細かい数値計算の地獄に陥りやすいです。反面、数値計算の中身は四則演算がほとんどで、物理で必要とされるような高度な数学の知識はほとんど必要ありません。
暗記の比重が高めなのでスタートダッシュから線形に成績が伸びていき、学習を通じて理解が深まるとさらにブーストされるというのが化学の特徴だといえます。
材料系や農学・薬学・医学など化学物質を相手にした分野に進む場合は、避けて通れない科目です。もちろん理工系でも修めていて損になることはありませんし、理系の学部であればほぼ確実に受験することができます。
物理系と生物系のどちらとも関係が深い学問なので、よほどの事情がない限り理系の生徒さんは化学を選択しておくべきでしょう。文系の生徒さんの場合は、計算が嫌じゃない子にとっては選択肢の一つになるでしょう。
③ 生物
その名の通り、生体現象を中心に学んでいく学問です。
私自身が生物を選択しなかったためあくまで参考程度にはなってしまいますが、暗記7割、論述力3割、といった具合に、とにかく暗記量と(特に2次試験では)論述力が必要とされる科目です。暗記の比重が圧倒的ということで、化学同様成績はスタートダッシュから線形に伸びていきますが、途中から鈍化しがちだと言われています。
農学・薬学・医学の分野で有用な科目なのは言うまでもないのですが、2次試験で生物を選択できる大学・学部がさほど多くないのがネックです。なので、理系の生徒さんが生物を選ぶ場合は、志望校の受験科目を事前によく確認しておくのが良いと思います。
文系の生徒さんにとっては、物理や化学に比べると計算がほとんど要らない性質上、とても相性が良い科目といえます。共通テストでは、「生物基礎」を受けておくのが定石といえます。
④ 地学
気象や地震現象、天文などを探求する学問です。
暗記事項も計算処理も少なめで、実は最もコスパの良い科目といえます。
2次試験などで受験できる大学・学部がほとんどなく、高校でも授業がない場合が多いため、理系の生徒さんにとっては、選択肢から完全に外れます。他方、コスパが良く自学自習がしやすい性質から文系の生徒さんにとっては物理や化学よりも選びやすい科目です。
[Ⅱ]結局どう選ぶべきか?
以上から、概ね下記のように選択するのが良いでしょう。
1. 物理&化学
理系の生徒さんにとって最も王道となる組み合わせです。理工学部のみならず、ほとんど全ての理系の学部で受験可能です。2次試験で理科1科目のみという場合は、いずれか得意な方を選べばよいでしょう。実は意外なことに、生物そのものを扱うはずの医学部志望者もこの組み合わせが多かったりします。
2. 生物&化学
理系の生徒さんにとって、次点でよく採用される組み合わせです。特に、農学部や薬学部などを志望する生徒さんには学問的に最も適した組み合わせです。ただし、2次試験などで化学しか受験できない場合があることに注意しましょう。なので、2次試験は化学で受験することを前提に対策しておく方が良いと思います。
3. 生物基礎&地学基礎
文系の生徒さんの共通テストの受験科目の鉄板です。計算がほぼ要らず暗記だけで済むため、負担が少なめです。
ここまで大まかな選択方針を解説してきましたが、最終的には「自分が好きな科目・興味がある科目を選ぶ」のが一番です。これは社会の科目選択であっても同じ話です。
上記は受験戦略として定石になりがちな選び方ですが、いくら定石であっても嫌いで仕方ない科目を勉強していくのは辛くて仕方ありませんし、そんな状況では好奇心も沸かず成績が伸びるはずもありません。
「好きこそものの上手なれ」という諺がありますが、その諺の通りに、好きな科目であればあるほど成績は伸びていきやすいのです。
今現在科目選択の悩みに直面している高校生だけでなく、これから高校生になっていく中学生の皆さんにも伝えたいことがあります。
今勉強している「理科」の中で、どの単元が好きか嫌いか、どの分野に向いていそうか、興味がありそうか、その点を今からでも意識してみるようにして下さい。
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